カオスダイバー

 もう夏休みも終りなので、水槽掃除をしてみた。掃除と言ってもただの水換えである。例によって、専用のホースを水槽に入れてじゃぶじゃぶするとスイフォンの原理を利用して水が勝手に水面より低いところに置いてあるバケツに流れ込むというあれである。全体の1/3の水量を交換するとともに、砂利の中のゴミまで掃除してくれるあれである。BGMには、最近聞いていなかったTHE BACK HORNをかけていた。

 水槽置きたての頃は2週間に一回は水換えをしていたが、徐々にめんどくさくなり最近は1ヶ月に一度水換えすればいい方であるような状態になっている。が、中の魚は病気にもならず元気に泳いでいるので、まぁ良しとしている。普段全くと言っていいほど水槽にかまっていない(特に最近は)割に、比較的長期に亘り水槽の中の秩序が保たれているのは、多分水槽における「動的平衡」を目指していることが少なからず原因に挙げられるだろう。外部式フィルターも含めて水槽内だと考えた場合、普段の水槽内と外との物質のやりとりは次の通りである。

  • 内から外へ、水分の蒸発
  • 気体の水溶、またその反対も
  • 外から内へ、エサつまり有機

 呼吸に必要な酸素、二酸化炭素の交換については、放っておいても行われているので特に人間が手を加える必要はないし、物質の交換という観点から見たときに、それ自体で物質の移動経路はほぼ閉じている為、特に言及しない。水分の蒸発は、カルキ抜きした水道水を時々入れてやることで、これも問題にはならない。
 「動的平衡」を実現する為の一番の問題は、何と言っても水槽の住人の排泄物の処理、つまり外からエサとして入ってきた有機物の成れの果てを、いかに水槽内に留まらせることなく流れるようにまた外に送り出すかということである。しかも、自分がめんどくさがりだという理由からくる極めて個人的かつ重要な要請の為に、人間の手間を最小限に押さえることも考慮にいれなければならない。
 この問題を解決する方法、それは結論から言えば、フンを微生物に分解させ、さらにその分解されたものを植物に吸収させるというものである。これが究極までいけば、蒸発によって失われた水分を足すだけで、水換え、砂利掃除なんて要らなくさえなるのだ。しかし、所詮は学生の趣味の範囲であるのでどうしても限界はあるが、この有機物の循環サイクル(魚のエサが生産されない点でこの経路は閉じていないので、サイクルとは言わない?)を作ってしまえば、アンモニアなどの魚に有害な物質が溜まることを抑制できるので、水換えの周期を大幅に長くできるのだ。そして水換えのときに、分解され比較的無害になった残りカスを回収し、ウチの流しでバイバイして、有機物の長い旅は完了する。


 以上が、めんどくさがり屋の言い訳である。

 外部式フィルターのお掃除はウチの場合1年に一回なんだけど、これもめんどくさいな。