アシモフの科学エッセイ4

 今日バスの中でもこの本を読んでいた。

 アイザック・アシモフはSF作家として知られている人だけど、この本は科学エッセイだ。

 この人は知識の幅がハンパじゃない。相対性理論から生命科学、薬学、精神神経学、地球史、さらにシェイクスピアまで。ボストン大学の生化学教授でもあるこの人は博学多才である。

 SFに限らず、小説を書くにはハンパねー知識が必要なんだろう。

 サブタイトルは『生命と非生命のあいだ』で、1967年に書かれた本である。人類の月面着陸が1969年だから、その前に書かれたことになるわけだが、そのころから今の地球温暖化問題を懸念している。この点を見てもこの人の頭の良さを感じる。



 記憶とは、複数の神経細胞で作られる環をクルクル回る神経電流である。何かを知覚すると電流が神経細胞を流れ始め、その電流が、神経細胞から次の神経細胞シナプスを通じて伝わっていく。
 このとき、脳細胞はその知覚に「割り当てられた」特有のRNA分子を作る。あとで思い出すときにこのRNA分子が使われるらしい。
 このRNA分子がどのように記憶に「割り当てられて」いるのかを調べるための実験がおもしろい。ジェームズ・マコンネルという人が電気衝撃によって条件づけられた(つまり学習した)プラナリアを切り刻んで別のプラナリアに食べさせた。すると、食べた方のプラナリアは普通のプラナリアよりも早く電気衝撃によって条件づけされたらしい。
 つまり、条件づけに使われたRNAは食べられた方にも、食べた方にも共通の意味を持っていて、いわば記憶を食べたといえるのだ。
 このとき、学生たちが教授を食べればそれで教育が受けられるという提案が冗談でされたらしい。

 これは1967年に書かれたことなので、現在はどういうことになっているのかわからないが。



 まだあと100ページ程残ってる。今月中には読み終わりたい。