音楽とか

 『きっこの日記1』を買った。まだ読んではないけど。

 本の最後で、サンプラザ中野が「『きっこの日記』はロックである」と言っている。


 その通りだと思った。


 ロックに限らず、歌は歌詞とメロディーでできている(あとリズムか)。

 歌は何かのメッセージを他人に伝える手段だ。伝えたいこと(歌詞)に、他人に解りやすい様に、または取っ付きやすい様に、メロディーを付けるわけである。自分なんかは、歌のメロディーがその歌詞より先行することも多い。種子ごと果実を食べることによって、知らない間にその植物の子孫を残すことに協力させられている動物のような感じだ。

 歌に限らず、芸術は何かのメッセージを他人に伝える手段だ。絵でも曲でも彫刻でも。


 「実物がない音楽というのは、芸術の中で最も抽象的なものだ。」って誰かが言ってた。それを聞いたとき、「なんか違うな」って思ってた。

 今思いついたんだが、確かに音楽は「実物がない」というか「モノ」ではない。そういう意味で抽象的だ。だが、「だから何だ」と思うのである。絵や何か立体的なモノからは光を知覚することによってメッセージを受け取る。音楽からは音を知覚することによってメッセージを受け取る。ただ目を使うか耳を使うかの違いである。だから本質的な違いは無いと言うか、音楽だけが特別なんじゃないと言いたかった。

 あぁ!!
 始めから「音楽が本質的に違う」とは誰も言ってない!!(自己完結)


 しかしながら、楽譜の有る無しに関わらず生の音楽はそれっきり一度だけなのに対し、実物があるものは一定の期間メッセージを光子に乗せて発信し続ける。「一瞬」と「期間」の違いはその長さだけだ。つまり、「音楽」ではなく「音」なら、他の、実物を持つ芸術との違いはメッセージが発信されるその時間の長さだけだが、「(生の)音楽」はその他に巻き戻しができなかったり、とびとびには聞けなかったりするのだ。


 やはり音楽は他の芸術とは違う。


 以上をまとめると、芸術の中で「何か実際のモノ」は3次元空間の中に納まっているのに対して、「音楽」というやつは「時間の次元の上に存在する」という点で、違っているのである。



 スッキリしたぁ。