自分しか頼りにできない僕がすこしぐらい中傷したってかまわないじゃないか。中傷なんて、かなり無邪気な、とどのつまりは無力な防衛手段さ。

なげぇー!

院試受ける前からコツコツ読み進めていたけど、やっと終わった。唐突に。

カフカの『城』。


測量士として仕事を依頼されてある村にやってきた主人公Kが、一見異常にも思える世界の中で、一人よそ者として城や村と闘っていく話。
職業が人間の唯一の存在形式となった世界って、まさしくこの今住んでる世界のこと。社会に出る前は確かに人生=職業の世界を異常に感じた(自分はまだ社会に出てないが、周りを見ているとだんだん慣れてくる。というか、慣れないと不安が襲ってくる。)。少しでも立ち止まって思考し社会から孤立しようものなら、たちまちグレーゴル・ザムザのようにムカデに変身してしまうのだろう。

前に読んだ『審判』は司法社会、今回の『城』は職業人間のリアルを描いている…らしい。ここでも実在論か。


それよりなにより、Kの凄まじい弁論力。あれが僕にあればフリーダを失わずにすんだかもしれない…。理詰めすぎるのもひくけど、言いたいこと言わないよりは百倍マシ。

城 (新潮文庫)

城 (新潮文庫)


次はかるーくSFとか読みたい。