「問題は人間さ、くそったれな人間さ」フィナティーがいった。「いつも機械といろんな悶着を起こしてくれる。もしあの連中がいなけりゃ、地球は技術者の天国だぜ」

プレイヤー・ピアノ (ハヤカワ文庫SF)

プレイヤー・ピアノ (ハヤカワ文庫SF)

技術者が機械を作り、その機械が国を管理して、一般大衆は機械に仕事を奪われて軍隊に入るか土木工事に従事するかの二者択一を迫られている未来(と言っても1952年にとっての未来)の話。


カートヴォネガットは4冊目だけど、これが一番好きかな。読むタイミングの問題なんだろうけど。


革命ってのは、それが社会的なレベルのものであろうと個人的なレベルのものであろうと、人間によっていてまた人間の為であるかぎり、その目的は下劣なものであるし、そうあって良い。また、それは生きるということの一部に過ぎず、それ自体に意味はない。
今の日本に住んでてわざわざ社会的な革命を考えたりする機会なんてないけど、一個人としての内向的な革命なら、その必要性をヒシヒシと感じている。人はみんな屑なのだから、結局何をやってもいいのだ。


小説を読んでて笑うってのは普段あんまりないんだけど、ヴォネガットのセンスは面白いと思う。