ブラックスワン

 
ブラック・スワンを読みました!
 
まぁまぁですね。
 
主題は、「人間社会における不確実性に伴うリスクが持つ性質」についてのこの人の考え方です。
自然界の中では、全ての概念に具体的なモノが紐付いているのでどうしても「数」には物理的な限界があります。しかし、人間が考えた抽象的な概念(たとえばお金)が実際に力を持つ人間社会の中では、通常ではあり得ない「数字」が度々顔を出してきます。そのことをみんなもっと意識すべき(特に社会学者や経済学者などは)というのがタレブの主張です。
 
主題も興味深いものでしたが、個人的には、この本の前半にちょろっと出てきた言葉で、「自分の究極のアイデアをゆっくり蒸留していくために、私は怠け者になりたかった。カフェやラウンジに座り、デスクだの組織図だののことは忘れ、眠りたいだけ寝て、ガツガツ読み、それでいて誰にもなんにも説明しなくていい、そんなプロの瞑想家だ。」や、「カクテル・パーティーで、何をやって暮らしているんだと聞かれると、「懐疑的実証主義者で怠け者読書家、アイデアを深く深く突き詰めることに全力を挙げる人間」だと答えたくなる。」などのタレブ自身の生き方から来たような言葉がとても気に入りました。
 
あと、なんか同じようなこと前にも読んだことあるなぁと思っていたら、『新ネットワーク思考』のアルバート・ラズロ・バラバシが出てきたので「おっ」となりました。当時のトレンドの考え方だったんでしょうか。
 
この本を読んでいる最中、もし、自分が研究者として生きることを選択する場合、まだだれも手を付けていない、もしくは、まさにこれから開発されようとしている分野でないと面白くないのかもしれないなと感じました。分野というか、取り組む問題と言った方が正しいかもしれません。すでに一般に問題と認識されている時点で、それの解決に挑むというのは「研究」というか「競争」になってしまうような気がします。
ちょっと、回りくどく分かりにくい話になってしまいました。とにかく、行動原理を「自分のやりたいことをする」にすべきだという、最近気付いたことをここでも再確認した、ということが言いたいことです。
 
以上。