背理法のしくみ
- 背理法とは
- 命題が真であることを証明するために、もしその命題が真でないと仮定すれば矛盾が生じることを示して、もとの命題が真であるという証明法
ですが、自分が高校生のとき[その命題が真でない]→[矛盾]→[もとの命題が真]というプロセスがなんとなくもやもやしていました。なぜそれが正しいのか説明できなかったわけです。
まず、命題の否定について考えてみます。高校のとき、という文章について、「ならば」と習いましたが、正確には「が正しいときも正しいならば、正しい」であり、これについてさらに正確には
- が無条件に正しければ、の正否に関わらずは正しい;
- が正しくないならば、の正否に関わらずは正しい;
となります。つまり、高校のとき自分はについてが正しくないときを考えておらず、その場合の正否がどうなるのかわからなかったわけです。まとめれば
- が真、が真でが真
- が真、が偽でが偽
- が偽、が真でが真
- が偽、が偽でが真
以上より、「命題が真でない」とき「が真かつが偽」となります。これに「矛盾」が生じるとき「が偽ならばは偽」がいえる。これは命題の対偶であり、対偶が真のとき「もとの命題が真」だといえることは高校でも習いました。よって命題が真であることがいえるわけです。つまり
- 背理法とは
- 命題が真であることを証明するとき、と同等な他の命題である対偶を証明して命題を証明するという間接証明法の一種
だったわけです。