ノンフィクション祭り

 

脳のからくり (新潮文庫)

脳のからくり (新潮文庫)

 
BOOKOFFで50円で買った本。
 
脳科学の入門書。簡単な内容ですぐ読めるのに示唆に富んでいるという、すごく読んで良かった本。しかも50円!
竹内薫の本は面白いけど、部分的に日本語がわかりにくい。まぁ、専門分野を素人に説明するってのはややもすれば難しいことなんですよね。
 
個人的にすごく感動したのが、脳の仕組みから絵画を解説している部分。脳は目から入った情報を一度バラバラにして、それを再構成した世界を理解している。その際、脳は情報処理の分担をしていて、色、形、空間、運動の四つにモジュール化されているらしい。画家は、それらの情報処理のうち、ある特定のモジュールだけを働かせたり働かせなかったりして、絵を描いてるらしい。例として、モネは色モジュールをON他をOFF、ピカソは形ON空間OFF、モンドリアンは形OFF空間ON、デュシャンは運動ON他OFF、とか。絵画はこういう見方も出来るんですね。
 
意識は情報のネットワークから生じるのではないかという考えはすごく面白い。そうであれば、万物にはうっすらと意識があって、生物は周りに比べて特に意識レベルが高い状態であるということ。死ぬということは意識が周りに解けていくことに過ぎない。
 
今後は、各章の最後にオススメの本が載っていたので、それを読もうと思う。ちなみに、『ペンローズのねじれた四次元』と『唯脳論』は読んでます。
とにかく、人間は誰しも脳ナシでは生きていけないわけで、脳についてわかっていることを知っておいて損はないと思います。
 
 
 
 
死体は語る (文春文庫)

死体は語る (文春文庫)

 
著者は元監察医。
その著者の担当した事件や事故の検死解剖など紹介していく。
誰でも死ぬので、死について興味はあると思う。
監察医という職業は、誰よりも死と死に至るまでの経緯に接する機会の多い職業だと思う。その著者が、「命に代えてまで、やらなければならないことは、この世の中になにもない。長いこと監察医をしてきて、死を扱い生の尊さを知り、つくづくそう思うのである。」と言う。死ぬとどうなるのか知っている人間は存在しないけど、多分そうなんだろうと思う。
あと、この本を読んでいてつくづく思ったのが、もし自分が殺人をするとしたら…ということ。いろいろ考えてしまいます。一つ言えるのは、監察医制度のある都市では殺人をしないということ。いやーこわいこわい。