ザディグリーオブマスターオブサイエンス

 
まだ実家にいます。
 
結局卒業式には出ませんでしたが、大学に行って学位記と卒業証明書を貰ってきました。
これでもう完全に修了したことになったはず。
 
次は社会人です。
 
 
 
 
最近は、東京に行ってからの水の確保の手段について考えていました。
 
主な選択肢はミネラルウォーターか水道水。
 
ミネラルウォーターは既に、東京はもちろん中部地方でも買えない状態なので、無理。
 
あとは水道水をどうするか。
 
普通に考えつくのは実家の水道水をペットボトルに入れて持っていく or 送ってもらうこと。
 
恐いのは内部被曝なので、口に入れる水分にだけ気をつければ良い。
外国に行ったときの水道水を直接飲まないあの感じで良いと思っています。
 
さすがに直接飲めるお茶やスポーツドリンクなどは東京にも売っていると思うので、貴重な水は米を炊いたり、パスタをゆでたり、スープを作ったりするときだけ使う分を考えれば良い。
そう考えると、実家から持ちこむ水だけでも当分は暮らせそうです。
 
 
 
 
とは言っても、わざわざ水だけを送ってもらい続けるわけにもいかないので、最終的には東京の水道水で暮らすことを考えなければならない。
 
そこで、水道水から放射性物質(主にヨウ素131)を出来るだけ減らすことを考える。
手段として考えられるのは、まず待つこと。半減期は8日なので、例えば1ヶ月待てば放射性ヨウ素の量は最初の 1/2^4=1/16に減るはず。
あとは、水道水を蒸留すること。元々の水道水に解けている放射性ヨウ素の濃度は極微量なはずなので、まずどういう状態で解けているのかも分からないし、蒸留することによってそれをどれだけ減らせるのかも分かりませんが、減る事はあっても増える事は無いはずです。
他に、活性炭の浄水器で多少は除去出来るというウワサもありますが、これはよくわかりません。
いずれにしても、元の水道水にどれだけの放射性物質が含まれていて、それぞれの行程でどれだけ除去されるのかを確かめなければ、不安な気分が多少和らぐ程度の意味しかない。
 
やはりガイガーカウンターを買うしかねぇと思う。
放射能に汚染されたマッドシティ東京では半端な装備じゃ生き残れない。
 
というわけで、ガイガーカウンターを探し続けているのですが、良さげなのは既に売り切れていて、なんだか怪しげなサイトの怪しげな品物しか残っていない感じなんですよね(もちろん100%個人的な偏見です)。
 
そもそも、内部被曝防止が目的で、どれだけのレンジが必要なんだという話。
原発に乗り込むわけではないので、そんなに高い放射線を測る必要は無いはずです。
内部被曝の恐さは、微量でも毎日気付かずに摂取し続ければ、体内の特定の部位に溜まり、そこが集中的に被曝し続け、ついにはDNAの修復が追いつかなくなり、細胞が死んだりガンになったりすること。だから、逆に低い放射線を正確に測れれば、自分で計算した安全なラインより上なのか下なのかが分かるはずです。
要は、安全なライン付近の値を正確に測れればよい。
 
この安全なラインは自分で計算出来る。
 
参照したのは、適当にググって見つけた
http://whqlibdoc.who.int/publications/2004/9241546387_jpn.pdf
ここの9章。WHOの飲料水水質ガイドライン(2004)です。
 
 
以下は、個人的に勝手にまとめたものなので、あまり信用しないで下さい。間違ってるかも。
 
まず、浴びても良い放射線量の目安として、自然界から来るバックグラウンドの量を知る。
それは大体2mSv/yr(ラドン由来はこの中の1mSv/yr)。
で、預託実効線量という、バックグラウンドとは別に追加で浴びても良いガイダンスレベルの放射線量が0.1mSv/yr(これは、ある放射性核種の摂取に伴い一生涯(70年)にわたって受ける全実効線量の尺度としている)。結局この値をどうやって設定するかが問題なわけですが、これは難しい問題なのでスルーで。まぁ、一つの理由としては、バックグラウンドの揺らぎに比べて0.1mSv/yrというのは無視出来る値みたいです。
 
で、飲料水のガイダンスレベルは、水の放射能濃度 Bq/L で与えられる。一方で、知りたいのは放射線量(GyまたはSv)。
 
放射性核種の摂取によってもたらされる被曝量は、化学的要因と生物学的要因に依る。具体的には、核種が体内の組織に吸収される割合や、それが排出されるまでの時間、核種由来の放射線の特性、放射線に対する組織の感受性など。そして、これらを考慮して決められているのが線量換算係数(mSv/Bq)。あとは、水の年平均摂取量(L/yr)を用いれば、Bq/LとmSv/Bqの関係がつく。ここで、線量換算係数(mSv/Bq)は、当然、核種によって違うし、核種摂取の年齢にも依る。
 
使う式は
預託実効線量(mSv/yr)=水の放射能濃度のガイダンスレベル(Bq/L)×線量換算係数(mSv/Bq)×水の年平均摂取量(L/yr)
 
となる。
 
あとは、具体的な値を代入してガイダンスレベル0.1mSv/yrは、どのくらいの水の放射能濃度(Bq/L)なのかを計算するだけ。
 
ここで、
預託実効線量→0.1 mSv/yr
ヨウ素131の線量換算係数→2.2\times10^{-5} mSv/Bq
水の年平均摂取量→730 L/yr(=2 L/day)
を用いて、例えば、核種はヨウ素131のみとして、
 
水の放射能濃度のガイダンスレベル=\frac{0.1}{2.2\times10^{-5}\times730}=6.2
 
となりました。
確か、テレビで官房長官が言っていたラインは子供が100Bq/Lで、大人は300Bq/L。
 
多分ラインが1mSv/yrで10倍なんだと思います。あとは、想定している摂取量が少なかったりするのかな。それでなんとか100Bq/Lくらいにはなりそうです。そもそも、ガイダンスレベルを超えることは、飲用不適であることを意味するわけではなく、さらに調査が必要であることを示すものとみなすべきらしいです。
 
1mSv/yrのラインの妥当性はわかりません。バックグラウンドと同じ量を追加で浴びても問題ないかどうかわかりません。また、内部被曝の問題なので、特定の部分が集中的に浴びることになり(線源からの距離の2乗分の1で放射線の密度が減る為に)単純に外部被曝の場合と同じように考えるのも違うと思います。
 
 
 
まぁ、計算しといて、結局良く分からないんですが(笑)、ガイダンスレベル0.1mSv/yrで考えれば安心出来るということだけは言えそうです。
 
あと、核種がヨウ素131だけとも限らない。他の核種例えばセシウム137とか混じってたらまた話は別。本当は核種を特定してから議論できるわけですが、そこは不確定ということになります(他の核種が影響が無いレベルと言われても、そこでそれを信用してしまうと、そもそも自分で計算する意味が無くなってしまうので)
 
むしろ、ヨウ素131が100Bq/L程度とは、Sv/h でいくらなのか。これは逆算すればいいはずなので、
 
100\times2.2\times10^{-5}\times 730=1.6mSv/yr
1.6 mSv/yr=0.18μSv/h
 
となります。
 
なので、ガイガーカウンターは最低でも0.01μSv/hのレンジでないと役に立たないみたいですね。あと、バックグラウンドの影響はシャットダウンできたりするんですかね。
 
 
 
 
普通、放射性核種の濃度は非常に低いので、核種を同定して調べることは実際的でない。より実際的なアプローチは、核種の同定はせずに、α線β線で、存在する全放射能をまず測定する。それぞれα線で0.5Bq/L、β線で1Bq/L以下であれば、さらに対策を取る必要が無い飲料水ということになるらしい。大雑把にそんな感じで良いらしい。
  
 
 
 
とりあえず、ヨウ素131の濃度が収まる前に、ガイガーカウンターを手に入れて、東京の水道水を実際に測ってみたいんですが、売り切れてるんですよねぇ。
 
で、いろいろ試行錯誤して最終的にガイダンスレベルを下回る水に出来たらいいなぁと思います。