新ネットワーク思考

 
ウラでこの世界を支配している普遍的法則をまた一つ知ってしまったようだ。フフフフフ…
 
 
この本は、あらゆるネットワークの仕組みを理解するという研究を追ったもの。この研究は本の著者自身(現在は物理学教授らしい)が行っている。
 
ここでいうネットワークとは、インターネット、一般的な人同士の繋がり、ウイルスが感染していく様子、共著論文を書いた学者の繋がり、同じ作品に出演した俳優同士の繋がり、高速道路網、体内を構成している分子同士の化学反応を介した繋がり等々。この世界に存在するノードとリンクで構成されるあらゆる概念のことである。
 
ほとんどのネットワークに共通して現れる性質が見つかったので、それを生み出している原因を探し、ネットワークというものを理解しようというお話。ネットワークには必ずと言っていいほどハブと呼ばれる特異な存在が出現し、これがネットワーク全体に非常に大きい影響を及ぼす。ネットワークは成長しその過程で、あるルールに従っていることが判明する。
 
興味深かったのは、インターネットの地図を作る話。研究対象は、インターネット上にあるサイトを"ノード"、リンクを"リンク"と考えた時のネットワーク。これを正しく理解する為には、まず、インターネットのリンクは一方通行であることに気付かねばならない。そして、主要な検索サイトがカバーしている範囲は全体の数割であり、本当のインターネットの大きさは地球上の誰も把握していない。インターネットは3つの大陸に分かれているらしい。
もしリンクが一方通行でないインターネットが存在していたら、今とは違った世界になっていたのかもしれない。
 
ネットワークの仕組みを理解すれば、コンピュータウイルスがインターネット上にいつまでも生き残っていることも説明出来るし、病気の治療方法も確立できる。
 
 
 
twitterFacebookでもハブな人は存在している。SNSではリンク数が明確に判り、ネットワークを調べるのに適しているのではないだろうか。ノードとリンクのデータを調べるとベキ関数の分布が現れるのだろう。
 

新ネットワーク思考―世界のしくみを読み解く

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