銃・病原菌・鉄

 

銃・病原菌・鉄〈上巻〉―1万3000年にわたる人類史の謎

銃・病原菌・鉄〈上巻〉―1万3000年にわたる人類史の謎

 
今はこれを読んでます。
まだ前巻の途中まで。
 
まず、ポリネシア諸島での勝者と敗者の話。
各島々に住む民族の衝突は一方的な虐殺であったことから、元は同じ祖先である複数の民族の間になぜそのような立場の違いが生じたのかを解説していく。結局その原因とは島の環境の違いであり、その環境の違いが食料の調達方法に狩猟採集と農耕という違いを与え、最終的にその違いが技術や政治構造の発展度合いの違いを生むことになる。
つまり、農耕に適した環境の島では、農耕が発展し、全ての人が食料の為に働く必要がなくなり、職人や族長や兵士を養うことが可能になった。一方、農耕に適さない島では、人口を増やすことが出来ず、人口密度は低いままで、家族単位で自給自足する生活であるため、社会的な分業化が起こらなかった。このような民族がぶつかった場合、勝者は必然的に前者になる。
各業務を分化し、構造が複雑な方が勝つ。このようなことは他のモデルにおいても成り立つのだろうか。例えば、会社間でもこういったことは起きているのだろうか。また、「平和」という言葉を考えるにあたっても、このような歴史の事実を知っておくのは役に立つと思われる。人が人を殺さないということにどのような意味があるのか、考える材料になるはずだ。
 
次に、インカ帝国とスペイン人、アタワルパとピサロの話。
アタワルパ皇帝率いるインカ帝国インディオ兵8万人対ピサロ率いるスペイン人168人の戦闘で、あっさりアタワルパが捕まってしまったのはなぜか。それは、スペイン人の持っていた鉄剣と馬が有利に働き、また文字がスペイン人に前提となる知識を与えたことが原因である。
同様に、ヨーロッパ人が新世界を植民地化できた直接的な要因は、銃、病原菌、鉄にある。もっと根本の原因については次の話で説明される。
文字が無い世界とは、眠っているときに見る夢のような不確かな世界なのかもしれないが、あまり想像することができない。