ジャパニーズSF

 
最近は日本のSFを攻めてます。
 
 
 
玩具修理者
小林泰三著、「玩具修理者」と「酔歩する男」の2編を収録。
どちらも面白い。玩具修理者は短いが、強烈的にグロテスクな話。酔歩する男も著者のアイデア、考え方が明確で、なるほどこれが日本のSFかという感じ。両方とも、物理学をやっている人間なら一度は考えた事があるであろうアイデアを小説という形でアウトプットしているのが興味深い。特に酔歩する男は、著者の、時間とは何かという考え方がよく考えられていて、読んでおいて損は無い。
話の密度が濃く、読んでいて夢中になり、買ったその日に読んでしまった。
生命とはなにか、時間とはなにかを考えさせられる、SFとは、下手な論文より効果的に自分のアイデアを世間に知らしめることができる手段なんだと思う。
 

 
 
 
機械たちの時間
なんとなく、こんなタイトルの話が攻殻機動隊にあったなぁと思って買ってみたのですが、これってやっぱ元ネタになってるんですかね。小説の中身は、(多分)サイバーパンク(に分類されると思う)です。脳内に埋め込まれたチップでサイバー空間に入り込める、そんな世界観です。あと、ウィリアム・ギブソンみたいに分かりにくい(というか、読むのにちょっと疲れるみたいな)話ではないのでご安心を。特に短いというわけではないのですが、主に通勤時間を利用しても1週間程であっさり読めてしまいました。何か軽いサンバーパンク読みたいという人にはお勧めです。